解説

「野蛮なるもの。その面は馬づらなりてぼろ纏ふものなり。猿にも似て馬喰らふものなり。しかして後ろ姿は翁に見違えん。民これを【馬喰翁（バクロオウ）】と呼びて危機に備えん。」シナノシマに伝わる書物『異形見聞録』には、その魔物はアルフレイムの言語で「バクロオウ」と記されています。馬を食うという伝承が伝わっており、ライダーギルドに忌み嫌われています。バクロオウの外見的特徴は猿のようにも見える顔に加え、「うまづら」と表記されるような縦に⾧い顔です。しかし最も特徴的なものは、伸び縮みする爪でしょう。その爪は指にではなく指と指の間に生えており、普段は伸ばしていないのですが、狩りや身の危険が迫ると刀のような鋭い爪が伸びます。シナノシマでのバクロオウは主に山を根城にして人族の略奪を行います。特に厩を襲う事例が多く、大きな馬にも果敢に挑み、喰らい尽くしてしまいます。バクロオウの好む馬は馬体が立派でよく走る馬である傾向があるので「悪伯楽」という異名もあります。普段は四足歩行で身軽な動きをしながら相手を翻弄しますが、爪を伸ばすと一転して二足歩行になり、強力な攻撃を繰り出すことがあります。その為、立ち上がった時の攻撃に注意が必要です。さらに、その爪は騎獣に強力なダメージを与えるように進化している為、ライダーは注意が必要です。バクロオウに関しては、奇妙な記録が残されています。なんと、シナノシマから北の方角に離れた新大陸、クレメリア大陸に生息するという記録が残されていたのです。更に不可解なことは、バクロオウ自体はクレメリア大陸でも最西端の砂漠が広がる地方、カストナーク地方に生息するという事です。シナノシマの生息域と全く異なる場所でどうして活動しているのか、そしてクレメリア大陸からどのようにしてシナノシマに渡ったのか、不明点は多くあります。